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2009年04月17日

BAR Luciano(ルチアーノ)

上村君が作るマティーニを100杯以上は飲んできた。


天気より大気で飲み頃日和が決まる。

外気が少し暑く、BARの扉を開けると空気がシンと引き締まる、19時半。

不快指数の低い夜はガラスと木が軽く触れる音さえ冴える。


照れて、作る姿を凝視ししないぶん、ステアする音で味の予想がつくようになった。

マティーニがグラスに注がれると、微かに香り立つ。


「どうぞ。」

「いただきます。」

無言の(「いかがですか?」)に、

「すっきりとしていて、美味しいです。」

このカクテルにだけは、お茶のお点前をいただくように、背筋を伸ばして答える。



先日、久しぶりにマティーニを注文すると、上村君が小さく笑った。

調子が良く、気が満ちた日に見せる顔。

いつものように聞きなれたステアの音が…

ん?…あれ…^.^?


マティーニを差し出す上村君の顔には「良い出来」だと書いてある。


驚くほど大きく味が変わるのは材料が違うときだが、何も変えていないそうである。


彼は最近、仕事に対して例がないほど悩んでいたそうだ。

数日前に迷いが晴れた。

「マティーニを作るのでなく、この人のために作る。」

心境をかえたら、長年、変えたくて苦闘していた味が突然、変わったのだという。


私の耳に感じたのは

彼の『想い』の分だけ優しく長かった、その日のステア。


師匠でも尊敬する人の味でもない。


誰にも似ていない上村君のマティーニ。




BAR Luciano(ルチアーノ)

大分市都町4-1-24新大分第2ビル2階(ハローワーク裏)

097-534-2255

日曜定休  

Posted by ノア at 18:16Comments(2)