2009年04月22日

柔軟体操とストレッチ

スポーツ前後の柔軟体操がイコール「ストレッチ」となってきたのは、いつ頃からだろう。



「ストレッチしてるのに効果が無い。」

と言う方は多い。


「ストレッチング」というのは英語で「伸ばす」という意味であり、トレーニングとしては1960年代にアメリカが発祥とされている。


最近、一般的なストレッチと私のイメージとが違うことに気付いた。


「ストレッチを加えて施術してください。」

と言う方のストレッチとは

「無理矢理、筋肉を引き伸ばして下さい。」

という意味である。


そして、適切なところでやめようとすると

「もっと伸ばして。」

とか、「ウー!」とうめく程のストレッチを望む。



ここに、不安と疑問がある。



人の筋肉はゴムに例えられることが多い。

ゴムだとして、ゴムがリラックスしている状態とは引き伸ばした時ではなく、負荷がかかっていない時だ。

ゴムを強く伸ばし続ければ切れる。

何度も強く伸ばすことにより、ゴムは伸縮性を失う。


人間の筋繊維も痛みを感じる程、伸ばせば切れる。

冷えた状態では切れやすい。


暖まりすぎているときは伸びきって弛みすぎる。

風呂上がりにストレッチして痛めるのは伸びすぎて筋繊維を切ってしまう場合が多い。


寒いときにいきなり動いて痛めるのも筋繊維を切っている場合が多い。



ペットを飼っている人なら、彼らが起き抜けに伸びをするのを見たことがあるだろう。

あれは、伸びているのだろうか?


ヨガのポーズにもあるが、あれは固まっている腰を伸ばすのではなく、弛緩させ、伸縮させている。


実際にしてみるとよくわかるが、猫や犬の伸び伸びポーズでは腰に力が入らない。

まず、肩関節や前脚を動かしてウォームアップし、その後、腰を曲げ伸ばし(伸縮)しているにすぎない。

決して、「う〜ん」と背腰を引き伸ばしているわけではない。



柔軟体操やウォームアップより「ストレッチ」の響きは伸び伸びと爽快なイメージを与える。


しかし、
柔軟とストレッチはイコールではない。


筋肉がリラックスして柔軟になるということは引き伸ばすことではない。


腰が痛い人は腰を伸ばすのでなく弛める。

首が痛い人は首を引き伸ばすのでなく、力を抜いてリラックスさせる。


その結果、動く範囲が広がる。


確かに、きつさを感じる場所を伸ばすのが効果的な場合もある。

しかし、満足感を得るほどグイーと伸ばすのは、筋繊維や血管を傷つけるおそれがあることも納得していただきたい。



人の体は繊細で奇跡的なバランスで存在している。


柔軟体操とストレッチ



Posted by ノア at 00:51│Comments(2)
この記事へのコメント
こんにちは。
私は体が硬いので、たまにお風呂上りに
ストレッチをしますが、無理に伸ばしちゃダメなんですね。
今度からはリラックスすることを心がけます。
とっても勉強になりました、ありがとうございます(●^o^●)
Posted by そめ at 2009年04月22日 08:07
そめ様
コメントありがとうございます(^^)
弛める、固まっているところを動きやすいように、縮みにくいところを楽に動かせるように力を抜いて伸縮させる。
そんなイメージです。
Posted by アミトの『あ』 at 2009年04月22日 09:31
 
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