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2010年10月05日

映画『狩人と犬 最後の旅』

映画『狩人と犬 最後の旅』
(2004年 フランス、カナダ、ドイツ、スイス、イタリア)を観ました。



「自然は寛大で、人が賢くなりさえすれば、たくさんの恵みを与えてくれる。」

この映画は、映画監督であり冒険家でもあるニコラスが北極圏ロッキー山脈で生きる狩人ノーマンと出会うことにより生まれた作品です。

話はノーマンの実体験の再現で、スタジオやセットは一切なく、すべて実在の物・実在(本人)の人です。

唯一、出演拒否したノーマンの妻役・メイも自然を愛す理解者で撮影するバーに遊びに来ていた女性です。

短い夏、長い冬、夜毎のオーロラ、白夜、映像の8割りを占める野生動物…最高零下55度で撮影された美しい光景…

極寒で長く撮影した映像は世界初だそうです。


映像を観るだけでも学ぶものが多くあります。

氷った湖下の水は0度以下にならないから零下40度の外気より暖かいとか、

湿度が低いから零下40度でも丸太小屋やテントで火を炊けば裸で平気なほど暖かいとか、

蚊が多い夏より犬も人も冬を好むとか…

狼は人間を襲わないとか、

熊が人を襲う事故の99%は人の過失にあるとか…

真の闇と真の無音の世界とか…


ノーマンは夏は馬とカヌー、冬は犬ぞりで動物も緑も密度が少ない北極圏で、約500〜1500キロ平米(およそ縦80キロ、横20キロで渓谷1つ分 )の範囲を1人で仕事します。


近年、厳しさに合わない低収入を理由に狩人は減っています。


ですが、数少なくなった狩人の狩場がないほど、人による森林伐採で、どんどん森が消えているそうです。


人間は進化をした知能で地球の支配者になれるか?

人間は神が間違えて作った諸悪の根源か?

人間の存在が地球・動植物を滅ばせるのか?


ノーマンの答えは、すべてに「NO」です。

確かに、今の環境破壊は上の問いにYESと言えます。

ノーマンは他にやり方があるのを示したくて映画を受けたのです。

1人で何ができる?

ノーマンは1人で広大な森を手入れしています。



ノーマン達、狩人は動物と同じように森に暮らし、生活に必要な分だけをとり、現代社会を疎んで世捨て人のように自給自足しているわけではありません。


陽気で人好きなノーマンは半年ごとに町に行き、人気者の彼を待ち受けている町中の人と3日ほど夜を徹して遊びます。

そこでは森で手に入らない茶葉やタバコ、窓ガラスなど必要な物と多量の本(近年は主に環境破壊問題)を買います。


ノーマンは小屋を立てる木を切るときも、薪にする枝を切るときも、必ず森林のためになる手入れを兼ねてします。

動物を狩るときは、毛皮でも食肉でも、各種の数をよく観察して必要な種類を必要なだけ狩るのです。

例えばウサギが少ない年はウサギを捕らず、ウサギを捕食する動物を狩ったり、ウサギを捕食させないようにして固体数を調整します。


狩人が自然に上手に干渉する地は狩人のいない森より遥かに豊かで美しいのです。


ノーマンは自分のことを
「知能のある捕食動物」
と言います。


動物が無駄なく必要なだけ食べていても、天候や病気などから生態系は度々バランスを崩します。

人間だけが知恵により、それらの管理をして、自らも自然の恩恵を受けることができるのです。

ノーマンはそのことを「管理」とは言わず、「自然の恩恵を受けたお返し」と表します。

ニコラス監督は「株式配当(利益の分配)のようだ」と言っています。


神様は、きっとそのために人間を作った…?と思える映画です。


ニコラス監督は言います。
「ノーマンが100万年生きるとしたら、この森も100万年生きる」


けれど、人間による環境破壊で動物がいなくなる日は目前です。
「そしたら俺も町で仕事をみつけなければ…」
と、ノーマンは真剣に考えます。

1人で1渓谷を豊かにできても1人で大企業の森林伐採を止められない…。  続きを読む

Posted by ノア at 13:19Comments(0)