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2009年10月01日

未亡人

『未亡人』

何故か魅惑的な響きの単語。


この仕事も10年を越えたので、いろんな人の人生も垣間見る。


仲良く夫婦でいらしていた方のうち、数人が未亡人となられた。


私見なので、気を悪くしないでいただきたい。


未亡人は最初は見る側も辛くなるほど痛ましく

「どうやって、生きたらいいの?」

と嘆く。


しかし


数年たつと、多くの未亡人は、ご主人が健在の頃より若々しく、輝く。


逆に、妻に先立たれた男性は老け込んで、何十年たとうと、妻の思い出話がつきない(新しく恋愛しても、彼女に妻の自慢話をするほど…)。



今日のお客様は、13年来、私がマッサージしてきた方。

その方が、初めてご主人の話をしてくださった。


「34年前に亡くなったの。
私は80になったけど、生きがいなんてないわ。
毎日、毎日、34年間も仏壇に向かって
『今日こそは迎えにきてね』
と言うんだけれど、いまだに来てくれないのよ。」

彼女は夫と過ごした時間より、長い未亡人期間を味わっている。


「ほんとに、毎朝、迎えにきてねって言うの。
相手は返事もしないのにね。」


そんな彼女は80には決して見えない、スリムでお洒落(40代程度の服を着こなす)で仕事もバリバリこなすスーパーお婆ちゃん。



「どんな年寄りもね、1日でも長く生きたいと思うのよ。」

看護師の知り合いが言っていた。


スーパーお婆ちゃんは…


彼女もやはり生きたいから、マッサージしてメンテナンスするのじゃないかなぁ。


それでも、34年も前に亡くなった旦那の話をするときの可愛らしい雰囲気は忘れがたいもの。

彼女は100歳でも『恋する乙女』なんだろなぁ。


  

Posted by ノア at 23:45Comments(2)