ビールの泡を数えながら…
ビールの泡を数えながら
思う。
あるとき、
数年ぶりに両親の知人から電話がきた。
話の途中で父が用があり、私が電話を引き継いだ。
「おいちゃんはなぁ…借金まみれで、お先がないんよぉ」
電話を切ったあと、心配で、、親に話したら…
「バカやなぁ…冗談やわ。長女が結婚とか景気がいい話しやったんやから。」
また、あるとき、、
知り合いの中古車屋に遊びに行ったら
3台も車を購入しにきた社長が
中古車屋のオーナーが席を外したときに
「おいちゃんはなぁ、明日、夜逃げするんや!」
と、言った。
その社長が帰ったあと、中古車屋のオーナーに話すと
「あんた、馬鹿話を真にうけるんやなぁ〜」
と笑った。
私は、どちらの時も自分が『おちょくられた』と『安心』した。
そして、数日後
どちらの時も、事実だったと知り
何もできなかったことを悔いた。
ほとんどの場合、、
大変なことをする前には、
誰かに話しているんではないか…
あまり、近すぎない、
それでいて、たどれば判明する誰かに…
世の中にある、
人の生死や蒸発の事件があるたびに
『誰かは知っていた』
そう、思う…
思う。
ビールの泡を数えながら…