治りたくない人
お客様の紹介で色白のポッチャリした女性、Oさんが来店。
50歳前後だろうか、悩みは肩凝りである。
Oさん「子供の頃からの肩凝りで、学校を休むほどでした。いろんなトコに行きました。肩以外はなんともないんですが、どうか助けてください。」
確かにきつそうなコリである。
Oさん「やはり、運動したほうがよいのでしょうか?」
どこにも鍛えた筋肉は無い体である。
私「今まで何もされてないんですよね?運動!と気負わず、日常で少しでも体を動かすのが良いと思いますよ。」
Oさん「でも、運動しないとダメですよね。」
わかっているなら、とうに運動しているのではないか?
こんな方は運動が嫌いな方が多い。
私「急に頑張るより、散歩でも効果はありますよ。深呼吸をして姿勢を正す。それだけでも、かなりきついはずです。」
Oさん「ではウォーキングをします。」
ふと、聞いてみた。
私「常に肩はキツいんですか?」
Oさん「日中はなんともないんですが、夜になると気になるんです。」
そして、翌週も来店。
Oさん「やはり、キツいんです。ここでダメなら、お参り所で祈祷しかないと思っています。」
私「朝からキツいですか?」
Oさん「夜になると思い出したようにキツいんです。運動したほうがいいですか?」
私「深呼吸なさってますか?」
Oさん「深呼吸ですか?」
こんな方は、なかなか肩凝りは軽減しにくい。
こんな方は、治りたくない自分も同居しているのだ。
私「肩は前回より良いみたいですね。」
Oさん「腰が昔から悪くて、腰が痛いんです。」
私「では、次週までに1日置きにウォーキングをなさったらどうですか?」
それきり、彼女は来ない。
彼女が詐病というわけではないが、治りたければ、もう少し必死になってほしい。
それとも、祈祷を受けて肩凝りが消えたのだろうか…?