BAR Criadera(クリアデラ)

ノア

2009年05月14日 01:16

本日、最後のお客様はドクターT。

私の洋酒との関係に大事な方である。



6年前、白銀ビルのBARクリアデラでモルトに出会った。

ブランデーとウイスキーが同じと思うほど、無知だった。

そこで、渋い男性のお客様方が口々に

『モルト』

と仰る。


モルトとは…?
ラムやジンのように、酒の種類だと…私は考えた。




BARクリアデラは有名なモルトBARである。

もちろん、カクテルも美味しいが、棚に納まらず、至るところに並ぶモルトウイスキーは約1500本。


モルトはウイスキーだった(当然だが…)。


ドクターTをはじめ、夜な夜なモルトファンが集まると、モルト談議が始まる。

私は上村くん(現ルチアーノ、マスター)のカクテルを飲みながらモルトの話を聞いていた。


講義のように、マスター・大塚さんをはじめ、各人、飲んでいるモルトをテイスティングさせてくれる。


日に5〜6種類、テイスティングさせていただきながら、50種類を越える頃…


私は、初めて自分でモルトを注文した。

当時、流行りのクライヌリッシュの何かで、華やかで綺麗なモルトである。


たかが30ミリリットル。


1時間経過しても半分も減っていない。


人からいただく1口を数分味わい教わるスタイルに
慣れていたせいだ。


2時間が過ぎる頃…


酔っているとまではいかないが、たまらなく心地よい浮遊感を初体験していた。


1席あけて隣にいるドクターTに

「とても心地良いんだけど、こんなに時間かけたら、迷惑な客ですよね。」

と話すと、彼は当たり前のように言った。

「あなたのモルトだ。好きに飲んだらいい。
誰も何も言わない。」


それは、本当だった。

私が楽しんでいるのが、知れているように、誰も早く飲めとは言わない。



この体験が、私にBARでの姿勢を教えてくれた。


酒は他人に迷惑をかけず、自分が楽しいのなら、多少のルール違反(ロングやショートを飲むスピードや組み合わせ)は気にしなくていい。


自分のペース&スペース。


ドクターT様、ありがとうございました。



BAR Criader(クリアデラ)

都町白銀ビル3階
097-513-6510
19時より営業・定休日無し