私が、イチバン、怖いこと

ノア

2009年05月07日 23:02

5歳に満たない頃

初めて『恐怖』を認識した。

2歳半からの喘息キャリアの私の枕元で何度か聞いた言葉が、きっかけ。

『だめかもしれない』=『死』


『死』って、なんだろう?

泣きながら母に聞く。

母「眠ってる時と同じよ。」

私「いつまで?」

母「永遠に。」

私「永遠って、どのくらい?」

母「ずっと。」


怖くて怖くて泣いた。


泣く私に母が言った。

母「また、生まれてくるのよ。今みたいに。」


私「何回?」


母「ずっと。」


でも、私は教育テレビで、人間の時代が浅いことも知っていた。

私は以前はブロントサウルス(お気に入りの玩具)だったのか?

しかし、記憶はいっさいがっさい無い。



今でも、思うと胸が「ひゅん」と怖くなる。


私が怖かったのは

死ではなく

『永遠』

という、計り知れない長さだった。


例えば、私の体はどこまでが私なのか。

目に見える体から10センチ先に私の汗や匂いが飛んでいたら、そこには私がいる。

そうやって、緻密に調べると…私も永遠に広がっている気がする。


『宇宙は?』


宇宙も永遠ではないらしい。

『壁』がある。

『壁』はどのくらい?


分厚い分厚い壁が果てしなく続く?

『永遠』?

終わりの向こうは黒い空間…永遠に?


『永遠』という、理解不能な長さ。

私には、死よりも幽霊よりも怖く感じるもの。


いまだに。