星を百、数えて
若くして亡くなった祖父はパイロットだった。
祖父に会うことなく育った私は飛行機に憧れた。
そんな祖父の遺産のひとつに「視力」がある。
我が家では父が老眼になるまで、眼鏡とは無縁だった。
真実かは微妙だが、昔のパイロットは昼間でも星が見えるほどの視力が必要だったと聞いている。
訓練方法は、星を百、数えることと、冷たい水で目を洗うこと。
私は幼い頃から実践してきた。
実際、航空自衛隊のパイロット兼教官であるお客様も同じことを言っていた。
そして、近年は学力ある人をパイロットにしたいが、学力ある人ほど視力が悪い…と。
そのお客様は視力の悪い人に、ひとつだけアドバイスをくれた。
「視力検査の前に涙を流すと瞬間、視力が上がります。」
これは…いまだ2.0の私では効果ありか未確認です。