色の魔法が解ける頃

ノア

2009年03月10日 00:29

年の近い姉と2人姉妹である。


負けず嫌いな私を気遣った母は、姉とお揃いの物を買ってくれた。

お揃いのワンピース・タオルケット・ハンカチ…。


ただ、色は殆どの場合、ピンクと水色。

姉が先に手を出すと必ずピンクを取った。

たいていの物を私に先に選ばせた、
母の姉への思いだったのだろう。

私の目から見ても、優しい印象の姉にピンクはよく似合った。


私は…水色を綺麗だと思った。

すごく綺麗な水色を自分の色だと思い、大好きになった。



年月が過ぎ、揃いの物を買わなくなった頃

母が買ってきたピンクの服に嫌悪感を覚えた。



つい10年ほど前まで、赤やピンクが大嫌いだった。



けど…



ある時、大切な人からピンクのカーディガンをもらった。


それを着た私は、


自分でも、まんざらじゃないと思った。



ピンクを姉の色と納得するために

幼いながらも私は

ピンクが嫌いだと自分に暗示をかけたのだ。



最近、好きな色がたくさんあることに気付いた。